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老後は海外移住! 海外在住歴15年のライターが徹底解説!

作成日:2016.09.23

最終更新日:2016年9月26日

カテゴリー:海外移住

最近、老後の海外移住について、ネットや雑誌で頻繁に取り上げられるようになりました。

「昔からの夢だった」、「日本での生活が嫌になった」……それぞれにきっかけがあると思いますが、年金やビザといった心配事は山積みのはず。
実際、海外移住は憧れだけでうまくいくものではなく、しっかりとした準備と展望が必要となります。

この記事では、50歳のときに海外移住を行い、すでに15年を海外で過ごす筆者が体験談を交えつつ、老後の海外移住に不可欠なことを解説していきます。
メリットとデメリット、必要な準備から移住に失敗しないための方法まで、幅広くご紹介します。
漠然と海外移住を考える方だけでなく、行動を始めて具体的に悩んでいることがあるという方まで役立つ内容になっています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

1.海外移住するメリット

1-1.日本よりも物価が安い国へ渡る

日本より物価が安いのは、老後の生活、特に収入が一定となってしまう年金生活者にとって大きな魅力です。

日本は世界的にも消費者物価が高い国です。
イギリスのエコノミスト誌が毎年行っている調査「Worldwide cost of living」によれば、東京の物価指数は98で、世界11位の高さです。
※ニューヨークが基準の物価指数100(順位では7位)となっています。ちなみに1位はシンガポールで、物価指数は116。

これに対し、海外移住先として人気があるアジア諸国を見てみますと、マニラ(フィリピン)は88位で指数は62。
クラルンプール(マレーシア)は100位で、指数は56。
チェンマイ(タイ)は127位で、指数は44。
いずれの数字をみても、物価は東京の半分程度となっています。

物価が安ければそれだけ日々の出費を抑えられるということですから、生活が楽になるということですね。

1-2.新しい体験、新しい交友関係

老後の海外移住は、人生で最後の冒険になります。
定年退職後の生活がなんとなく面白くない、退屈だと感じていたら、環境も文化も違う海外で、新鮮な新生活を始めるのもいいでしょう。

異国の文化に触れて新しいことを学び、現地のサークルやカルチャーセンターに参加すれば交友関係も広がり、人生の楽しみが増えますよ。
筆者の場合は、移住先で習い始めたラテンダンスのクラスを通して、現地の友人ができ、新しい世界も開けました。

筆者は海外移住する以前、日本でテレフォンマーケティングの会社でディレクターとして働いていました。
日本でのストレスの多い生活に比べて、移住後の生活形態は時間の過ぎ方をはじめとしたすべてが一変し、ストレスから解放された実感に大きな幸せを感じました。

もちろん最初から全てがうまく行ったわけではなく、いろいろなことがありましたが、それでも海外生活は夢だったので、人生最後の挑戦としてできるところまでやってみようという気持ちでした。

ある程度その国の言葉や英語を話せることが前提となりますが、いくつになってもチャレンジ精神旺盛な人にとって、海外移住は理想的な老後の過ごし方といえるでしょう。

2.海外移住するデメリット


海外移住には避けられないデメリットがいくつかあります。
最終的にはこれらを踏まえたうえで、それでも海外で暮らしたいかどうかにかかってくるといえるでしょう。

2-1.家族や友人と頻繁に会えなくなる

家族や友人と頻繁に会えなくなるのは、海外移住での一番のデメリットといえるでしょう。
シニア世代の方はとくに、子供や孫の成長が見られなくなることに寂しさを感じると思います。

今はインターネットを利用すれば無料でテレビ電話を使えますが、それでも寂しくて我慢できないとなると問題ですね。これは受け入れる覚悟が必要です。

2-2.言葉の壁

どこに住んでいようと、コミュニケーションは必要となります。その点で言葉の壁は、様々なストレスの原因となりうる問題です。

メリットで異国の文化に触れることや交友関係が広がっていくことを紹介しましたが、なかには海外移住をしても日本人コミュニティでしか過ごさない方がいます。

日本人が移住先とする都市なら、よほどの僻地でない限りは日本人コミュニティがあります。

しかし、先に移住している日本人が全員いい人とは限りません。
異国の地ではとかく同じ日本人だからと信頼を寄せてしまいがちですが、これを逆手に取られて、思いもよらない失敗につながることがあります。
たまに海外移住を紹介する記事などでも、「海外で日本人が日本人を騙す」という話がありますが、新しく移住してきた日本人をカモにする日本人がいるのは事実です。

また、現地で何十年も住んでいる日本人にはクセの強い人も多いですし、むしろ現地の日本人同士のお付き合いのほうが難しいケースすらあります。

せっかくの海外で日本人コミュニティのなかだけで過ごすのでは、移住の意味がありません。
やはり、現地の社会に馴染み、現地の人との交流があってこそ、移住の醍醐味を味わえます。

そのためにはやはり、ある程度は現地の言葉や英語がわからなければなりません。
この言葉の壁を乗り越えるのに苦労を感じるのであれば、大きなデメリットといえるでしょう。

2-3.公共サービスの違い

日本は、世界中から訪れる観光客の誰もが感心するほどサービスが行き届き、充実しています。
このかゆいところに手が届くサービスが当たり前になっていると、海外でのサービスには不満を感じてしまうことでしょう。

たとえば、店員の感じよい接客態度や、親切な公共交通機関のアナウンスなどは、海外ではあまり期待できません。
こういった点でストレスを感じてしまうようだと、デメリットとなるでしょう。

2-4.健康面の心配

年をとると、健康面で不安が付きまとうと思います。それが不慣れな海外ともなれば、その不安は一層強まります。
海外生活では、病気になったときの準備は万全にしておかなければなりません。

海外へ移住する場合、多くはそれまでの日本の健康保険は解除してきますので、現地の保険に入ることになります。
国によってシステムは違いますが、ビザを取得できれば健康保険も一緒にクリアできる国が多いです。

もし国営の保険に入れない場合、現地で民営の医療保険に入っておきましょう。
医療保険も様々なタイプがありますので、何社か保険会社を比較しながら検討してみましょう。

また、急な病気になったときに慌てないように、地域の医療機関の場所と開業時間などは、必ず把握しておいてください。

3.海外に滞在する方法


資金に十分な余裕があれば、住める国の選択肢はぐんと広がります。
しかし、一庶民ではなかなかそうもいきません。
一般的な予算内で目指す海外移住ですと、滞在先のみならず、滞在の方法も検討していく必要があります。

3-1.リタイアメントビザ

どこの国で生活するにせよ、長期滞在には必ずビザが必要になります。

老後の海外移住の場合、ビザは退職者や年金受給者などを対象としたリタイアメントビザが理想でしょう。
現在42ヶ国(アジア・中南米・ヨーロッパ・オセアニア・アフリカ圏内の数ヶ国)がこのビサを提供しています。

リタイアメントビザ取得には、ほとんどの国で現地預金や資産証明が必要とされています。
国によっては、一定以上の金額の不動産を取得すれば、ビザがおりるというシステムもあります。
いずれにしても、現地預金や資産証明の金額、不動産の購入価格は国によって異なります。

また、東南アジア諸国のビザ取得条件はまだ比較的ゆるやかですが、年々各国のビサの取得条件は厳しくなっています。

まずは、移住を希望する国の大使館で、詳細を確認する必要があるといえるでしょう。

3-2.ロングステイ

ビザの取得が困難な場合は、ビザなしで滞在できる最大期間(多くの国で90日間)を目処にして、年に何度か行き来を繰り返す方法があります。

実際に筆者の周りには、海外に不動産を保有して、長期滞在を繰り返す人がいます。
飛行機代はかかりますが、そのぶん物価が安いので食費や生活費を節約でき、飛行機代はペイできると言っています。

4.海外移住するために必要な準備


この章では、老後の海外移住で行うべき準備について考えてみます。ここでは日用品というより、実生活で不可欠なものを紹介いたします。

そのほかの日用品などについては、「経験者が教える海外生活の必需品 現地での「◯◯がない!」を防ごう」を参照ください。
海外で生活しないと気づけない意外なものを取り上げています。

4-1.ビザ

前述したように、リタイアメントビザをはじめとしたビザを取得する必要があります。

ビザの取得が難しい場合は、ビザなしでも滞在できる範囲(多くの場合、90日以内)でのロングステイと、帰国を繰り返すという方法もあります。

4-2.年金

海外移住が決まっているのであれば、日本にいるあいだに年金受け取りの手続きをします。

まず海外転出届を提出します。これによって、翌年度の住民税を払う必要がなくなります。

また、すでに年金を受給しているのであれば、世界中どこに住もうと年金はそれまで同様、そのまま日本の銀行口座へ入金されます。

年金は海外銀行口座でも受給可能ですが、移住先国の現地通貨で入金されますので、為替変動相場によって価値が増減します。
日本の銀行口座で日本円で保持し、レートがいいタイミングで滞在国の通貨で引き出した方が有利といえるでしょう。

4-3.インターナショナルキャッシュカード

上記の年金が振り込まれる日本の銀行が発行する国際キャッシュカードを持っていれば、海外のATMから現地通貨でお金を引き出すことができます。

上述したように、為替レートが有利なときに引き出しておけば、移住先で現金が必要になったときに便利です。

4-4.通信機器(携帯電話)

最近の携帯電話は、何もしなくてもほとんどそのまま海外でも使えるようになっています。
ただし、そのまま使用してしまうと、受信にも発信にも国際料金が課金されてしまいます。

長期滞在をする場合は、とりあえず現地で簡単に買えるプリペイド式の携帯電話を購入することをおすすめします。

プリペイド式なら受信には料金がかからないので、受信専用として持っておくだけでも便利です。ただし、発信には国際電話料金がかかります。

現在の携帯電話を使い続けたい場合は、SIMカードロックを解除しましょう。

日本の携帯電話の多くは、SIMカードロックとなっていて特定の会社のものしか使用できません。
方法は、契約している通信会社や機種によって異なりますので、契約している通信会社までお問い合わせください。

SIMカードフリーの携帯電話を用意したら、現地でSIMカードを購入して使用しましょう。

5.海外移住の際、どんなことでお金が必要になるか


ここでは、移住前に想定しておくべき資金について考えてみましょう。
なお、移住後の現地での生活費は国ごとに差がありすぎるため、ここでは省略いたします。

詳細について、「海外移住に必要な5大費用 人気の移住先にはいくらかかる?」の「2.人気の海外移住先でかかる費用」にて詳しく解説しています。

5-1.ビザの取得費用

前述のとおり、ビザ取得のための現地預金や資産証明の金額、最低不動産購入価格は国によって異なります。
詳細は「海外移住に必要な5大費用 人気の移住先にはいくらかかる?」を確認してみてくださいね。

5-2.渡航と移住の調査に関する費用

移住先への渡航費用と、事前の調査費用が必要になります。
もちろん、これらは渡航先と滞在日数によって金額は違ってきます。

なお、調査の必要性や内容については、下記「6-1.事前の調査と情報収集はなにより大事」にて解説いたします。

5-3.住まいにかかる費用

移住した先での住まいを賃貸住宅にするのか持ち家にするのかにより、費用は異なります。

ただ、住まいの購入を考えている場合でも、とりあえずは賃貸住宅で現地に慣れて、情報収集をしましょう。そのうえで、売買物件を探す方法をおすすめします。

ちなみにビザがなくても、お金と身分を証明するものがあれば物件の賃貸も売買も可能な場合がありますので、現地調査のなかで確認してみましょう。

5-4.保険にかかる費用

「2-4.健康面の心配」で簡単にご紹介したとおり、海外移住の際は日本の国民健康保険も抜けることになります。

ビザを取得できれば、移住先の健康保険に入れますが、条件はそれぞれ違います。これも現地での調査が必要です。

健康保険に加入するまでの代替としておすすめなのが、クレジットカード付帯の旅行保険を利用すること。
海外旅行として90日は有効なので、この間に現地での医療保険加入を行いましょう。

6.海外移住で失敗しないために


老後の海外移住は、若いころに行う移住よりもリスクがあります。
若ければ失敗しても何度もやり直しができますが、ある程度の年代になっていると再度の挑戦はできません。
ですから、できるかぎりリスクは避ける方向で行動する必要があります。

6-1.事前の調査と情報収集はなにより大事

移住して実際の生活を始めてから「こんなはずじゃなかった!」ということがないように、事前に調査をして情報収集をしっかりとすることが大切です。

移住したい国があり、なおかつそこで生活した経験がないのであれば、少なくとも2週間~1ヶ月は滞在し、現地の情報を得る必要があります。

筆者も移住先を決めるために、およそ1週間から3ヶ月の滞在期間で、多くの国を訪問しました。

情報といっても、生活にかかるお金や保険、医療制度といったことだけではありません。
現地の気候や治安の状態、食事といった当たり前のことに関しても、実際に体感しておく必要があります。

移住先を具体的に決めていない場合であれば、候補として考えている国を2~3ヶ程度、実際に滞在してみるのが望ましいですね。

老後の海外移住では終の棲み家になる可能性もあるわけですから、事前の調査に関しての費用や時間を惜しんではいけません。

6-2.まずは3ヶ月のお試し期間

過去に長期滞在した経験がない限り、充分な調査をしたから大丈夫と決めつけず、まずは移住候補の国で3ヶ月ほど滞在してみましょう。

いきなり本格的に移住をしたいという場合でも、日本に戻れる場所の確保はしておいてください。

不動産などをすべて引き払って何も日本に残っていないケースだと、万一日本に帰国せざる得ない状況になったときに困ります。
どんなケースで失敗することがあるのかは「海外在住歴15年のライターが教える 海外移住の失敗とその対策」をご覧ください。

7.まとめ

筆者は、海外で生活するのが小さい頃からの夢でした。
日本での生活でいろいろなことを体験し、40代で再び幼いころの夢が頭をもたげ、移住する国を決めるべく多くの国へ訪問し始めました。

そして最後に訪れた地が気に入り、一度帰国後、準備を整えてから再訪し、移住したのが50歳のときです。

この15年間でいろいろなことがありましたが、現地社会に馴染み、多くの友人もでき、筆者にとってこの地は今や終の棲み家となっています。

おかげさまで満足した海外生活を送っている身としては、老後の海外移住を考えていらっしゃる方々に、同じように幸せな海外生活を送ってほしいと切に願っています。

今回はいままで15年の移住経験から発信してきた記事の総集編として海外移住についてまとめてみました。
過去記事も参考にしていただきつつ、とにかく事前調査のための滞在をした後に気に入ったところがあったら、どうぞ海外移住挑戦してみてください。
心から応援しています。

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